女神の纏足

点火




「ユメイル様、マリア様ご到着にございます。」



ユルに引かれて入った会場。


綺麗な人ばかりで驚いたが、何よりも…


「っ…、」


一斉に向けられた視線の数が尋常じゃない。



「マリア。リラックス。」


肩を抱いているユルには緊張が伝わったのだろう。


でもね、ユルさん。


優しく囁いてくれるのはいいんだけどね。

顔が近づいたことによってさらに周りの目が痛いのだけど!気のせいかしら!




「やっと来たね。」


そういって最初に声をかけてきたのは燕尾服を身にまとった、


「ユニ様…と、」



「初めまして。アリスと申します。」


美しい少女だった。


< 296 / 332 >

この作品をシェア

pagetop