女神の纏足



そしてそんな雰囲気もお構いなしに二人で会話をし始める兄弟。



「ああ、今日あの人たちいないね。兄さん。」

「今日は遠い分家はよんでないからね。」

「ふーん。これからも来なくていいのに。」

「ユル。」

「冗談だよ。でもあの人たちうるさいし。側室に側室にって、ちょっと身の程知らずだよね。」

「はぁ、もっとオブラートに包めないわけ?」


同じ声で同じ喋り方。

たまにユルのほうが崩れてるけど。




そこの空間だけ異様に穏やか。

いや、兄妹の仲がいいのはよく分かったんだけどさ。


…なんなのこの兄妹。

この状況に違和感とか気まずさとか感じてないわけ?


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