女神の纏足
何も言い返せなくて下を向いて歩いていると、
「あ、」
目の前を歩いていたユルの足が止まる。
「…」
見上げると楽しそうに笑うユル。
「いいとこ連れてってやる。」
「いいとこ…?」
そういって何が何だかわからないまま腕を引かれ連れてこられたのは…
「ここ…」
「あれ、来たことあったの?」
「うん、ラウ様と一度だけ。」
そう。ラウ様に一度だけ連れてこられたビニールハウス。
古びた外装に、珍しい花が咲き誇る。
「なんだ。来たことあるのか。」
入る?と私に判断を委ねるユル。
「うん、入りたい。」