女神の纏足


フフっと笑う声がした。


「どうして俺よりこの世の終わりみたいな顔してるの?」


顔を上げるとユルがゆっくりと起き上がっているところだった。


「……」

分からない。分からない。分からない。

何がかは分からないけど、私の存在はユルにとって、邪魔な気がする。



繋がりそうで、繋がらないピース。


どうしてアリス様は女神なのだろう。

どうしてユニ様はアリス様が好きなのだろう。

どうしてラニア様は王座を狙うのだろう。


何かが足りない。



「ユル…」

「ん?」

どうしてそんなに優しい声をだすのだろう。


「嫌な予感が、するの。」


聞こえるか、聞こえないかの声で微かに漏れた私の声。


何がか本当に分からない。

ただ私とユニ様の関係が崩れただけ

ただユルが私の傍にいてくれるだけ



「俺もだよ。」

そういって笑ったユルは、私よりも少し前を進んでいる気がした。


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