女神の纏足


  
「マリア、言いたくないことは言わなくていい」



ユニ様は蜂蜜のように甘い


マリア様を撫でるその手も甘い




その甘さはこちらから見ても分かるほどマリア様を侵食していた




「マリア、確かランダに行きたいと言っていたな」



ランダ?


マリア様はランダに行きたいのか



ユニ様がチラリとこっちを見た



そしてあの甘い声で囁く



「我らも次向かう先はランダだ」


蜜が


「我らがランダまで共しよう」


毒が



「はい」


混ざり合う


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