女神の纏足


「これひとつで三泊くらいできるはず。長旅ならばこのようなものは買わない方が得策だと思うが。」


少女は目を見開いた


「本当ですか?」


「嘘はつかないよ。」


少女は店主に視線を向けた


店主はおろおろと慌てふためいている



「本当のようですね。」


少女は店主を見ながら言った


「…すまねー」


「いえ。商売ですもの、気にしてません。しかしこれは買わないでおきます。」


「ああ、」


「かわりにその一番安いものを頂きましょう」


店主は目を見開いた

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