女神の纏足



「傷から血を舐めとるんだ」


ユニは思い出しているかのように目を伏せる



動揺が隠せない


だってそれは幼い子供が親から与えられて飲むやり方だ




「相当過保護に育てられたんだろうね」



「過保護どころじゃ…」



そんな言葉で済まされるようなことじゃない


あの年までそんな食事方法だなんて…




「だから一から教えるんだ」


クククッと少し歪んだ笑い声




「まさか…」


「そ、この体で」



「……」


「最初に牙を突き立てた相手が私だなんて、贅沢だと思わないか?」




そう微笑むユニが悪魔に見えた



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