女神の纏足


「買ってくれんのかい?」


騙そうとしたのに



その言葉があとに続くのは一目瞭然


後ろの男もこれには目を見開いていた



少女はなにも言わずににっこりと微笑む


店主からもその微笑みはフードの隙間から見えていた



「はい、お金です」


「ま、まいどあり」



少女が去った後も、店主はしばらくボーッとしていた



そしてボソッと呟いた


「ああ、女神様のようなお方だ…」


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