塩味の恋
甘い甘い味
窓際の席の君は、いつも、グラウンドを眺めてる。
たまに目が合うと、笑ってくれて、そのたびに胸がきゅんと鳴る。
メンクイの私は、最初はちょっとかっこいいなー程度に思ってた。
でも、仲良くなって、好きだって気づくまで、時間はかからなかった。
だって、優しいんだもん。
ほかにも理由はあるんだろうけど。
好きだって思う理由なんてそれだけで充分。
でもね。
イケメンで、優しくて、バスケ部で、勉強もできて。
そんな人を、女の子たちが放っておくはずがないの。
私と同じように、好きになっちゃった人が、何人いるかな…?
1、2、3…4人?かな?
私が知ってるだけで、そんなけ。
そして一方私はね。
茶道部で、運動は並みの並みで、運でこの学校にはいれたみたいなもの。
恋愛だって、告白されて、なんとなく付き合ったのが、2回ほど。
ハグだってキスだってしたことない。
手をつないだことしかないの。
しかも、15秒くらい。
でも、せっかく高校生なんだもん、
恋だって、したい。