塩味の恋



「ん、じゃあ席座ってて。買っとく。」


そう言われて、少し戸惑う。


「えっと、お金今渡せばいい?後でいい?」


「え?いいよ。」


「ん?どっち?」


少し笑いながら言う。

そしたらにっこり笑い返されて、


「俺のおごりー。」


「えっ、いいよいいよ!」


さすがに、お昼もごちそうになったのに。

それに高校生にとってスタバの新作って結構高いでしょ。


「いーの、座っててってば。」


肩をポンと押されて、振り返る。

…お言葉に甘えてしまっていいのかな?


うぅー、っと少し唸りながら空いている席に座る。

レジの前の日向を見る。

日向が私に気づいて軽く手を振った。

そして受け渡し口の前で少し待って、商品を受け取り席に来た。


「はいお待たせー、」


「う、あ、ありがとう、ございます…」


「どーぞ、」


「あの、やっぱり、お金払うよ…」


私の言葉に、日向は顔を上げて、若干上目づかいで私を見る。

まつ毛長いなぁ。




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