塩味の恋

バスケ部の君




「ねー、結衣?」


「んー?」


私、水谷 結衣、好きな人は、います。

ちょっと可愛い言い方すると、恋する普通の高校一年生、かな。


「来週のお祭りさ、みんなで行かない?」


携帯をいじる私の周りに集まってきた、3人の男女。


右から沙耶、大和、…私の好きな人、天野 日向。

日向は自分の名前がちょっと女の子っぽいのを気にしてる、らしい。


「いーよー。」


携帯を制服の胸ポケットにしまい、気だるく言う。


「四人?」


沙耶は隣のクラスに彼氏がいて、大和は同じクラスに彼女がいる。

二人ともお互いの恋人と行けばいいのにって思ったけど、それは言わない。

いつもノロケとか、聞いてるから、まーいっか。


「んー、私たちは途中抜けるかも。相手いるし。」


「そっか、」


ちらっと、日向のほうを見る。


「…非リアばんざい。」


「うぇい。」


一応、クラスの中で、日向と一緒にいる、いわゆるイツメンってやつにはなれたけど、…


友達としか思われてない気がする、っていうか。

まあ、そんな感じだ。





< 2 / 23 >

この作品をシェア

pagetop