塩味の恋
バスケ部の君
「ねー、結衣?」
「んー?」
私、水谷 結衣、好きな人は、います。
ちょっと可愛い言い方すると、恋する普通の高校一年生、かな。
「来週のお祭りさ、みんなで行かない?」
携帯をいじる私の周りに集まってきた、3人の男女。
右から沙耶、大和、…私の好きな人、天野 日向。
日向は自分の名前がちょっと女の子っぽいのを気にしてる、らしい。
「いーよー。」
携帯を制服の胸ポケットにしまい、気だるく言う。
「四人?」
沙耶は隣のクラスに彼氏がいて、大和は同じクラスに彼女がいる。
二人ともお互いの恋人と行けばいいのにって思ったけど、それは言わない。
いつもノロケとか、聞いてるから、まーいっか。
「んー、私たちは途中抜けるかも。相手いるし。」
「そっか、」
ちらっと、日向のほうを見る。
「…非リアばんざい。」
「うぇい。」
一応、クラスの中で、日向と一緒にいる、いわゆるイツメンってやつにはなれたけど、…
友達としか思われてない気がする、っていうか。
まあ、そんな感じだ。