塩味の恋


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「うああああ、なんか、恥ずかしくなってきた…、」


手、繋いじゃったし。

おでこ、触られちゃったし。


今日はありがとう、って送ったら、

こちらこそ、楽しかったよ、またよろしく、だって。


そのあと、なんて続ければいいのかわかんなくて、おやすみって言っちゃったけど、まあ、いっか。


……


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夏休みでも、部活はある。

でも、茶道部はそんな頻繁にないから、運動部ほど大変じゃない。

火曜日と、木曜日、私は学校に行く。


「あっ、結衣じゃん、おはよー。」


日向と同じバスケ部の大和と、朝の電車で会った。

朝って言っても、もう昼前だけど。


「おはよ、今日午後練?」


「うん、そー。結衣は?」


「私も一時からなんだけど、準備のためにちょっと早めに行くの。」


偉いねー、っと言って、大和は何か思い出したようにニヤける。

電車の中で急に気持ち悪いなーって思った。


「そいえばさ、終業式の日、どうだった?」


「楽しかったよ?」


探るように目を細める大和。

すっごいバカっぽい。彼女さんは大変だねー。




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