塩味の恋
車内に放送が流れて、次の駅が学校の最寄だと告げる。
「んあ、で、それで?」
「もうすぐ駅つくね、一緒に学校行く?」
「んー、日向怒るかな?」
なんで日向が怒るのよ。
怒るとしたら大和の彼女でしょ。
ガタン、と電車が揺れて、駅に着く。
「行こ、」
大和の鞄をひっぱって、電車から降りる。
「おう、」
大和と話すときは、気が楽だ。
男の子の友達って、今まであんまりいなかったけど。
沙耶と大和が仲良くて、沙耶と仲良くなった私が大和とも仲良くなった。
日向は、大和と仲がよかったから、螺旋状に仲良くなれた。
…大和に、感謝しなきゃいけないのかも。
学校までの道、大和とおいしいクレープ屋さんの話をした。
「この間彼女と行ったらすげーおいしかったんだって!!」
らしい。
学校について、大和はバスケ部だから、体育館へ。
私は茶道部だから、茶道室へ。
大和に手を振っていると、同じクラスの女の子が二人こっちに向かってきた。
加奈ちゃんと秋葉ちゃんだ。
あんまり話したことがなかったんだけど、二人が話しかけてきた。