白いジャージとオレンジジュース
「大和の気持ち、ちゃんと聞いたんですか?卒業してからのこと」
「怖くて、聞けない。私も、卒業したら冷めてしまうかもしれない」
「それ、どういうことですか?」
理解できなかった。
もう外は真っ暗だったが、斉藤先生が泣いているので電気はつけなかった。
「私は、生徒のことばかり好きになってしまうんです。教師になった時からもう何人も・・・・・・」
「本当ですか?今までもこういうこと、あったんですか?」
「はい」
消えそうな声でそう返事をした斉藤先生。
斉藤先生は、生徒から信頼されていて明るく元気な先生だった。
俺は、驚いて何も言えなかった。
「私は教師を辞めるべきなのかもしれません」
「今のままではそうかもしれない。でも、変われると思います。斉藤先生は、教師として素晴らしい素質を持っている。もったいないよ」
「でも、私・・・・・・徳田さんのことも裏切っている」
また泣き出す。