白いジャージとオレンジジュース
裏の顔
―裏の顔―
秋の空は、本当に美しくて、涙が出そうになる。
いわし雲。
生徒達に朝の挨拶をしながら、青空を見上げた。
「おはようございます」
「おう、おはよう」
爽やかに挨拶した大和に、俺も笑顔で挨拶をする。
大和と俺のいい関係を崩すのが怖かった。
でも、大和の心に闇があるのなら、それを知りたいと思うし、救えるものなら救いたい。
「時間ある時、話せるか?」
早い方が良い。
俺は大和を呼び止めてそう言った。
「あ、はい。昼休みでも新垣先生の所に行きます」
何も知らないと思っているのか、覚悟を決めているのか、驚いた様子もなくそう答えた。
昼休み、俺は直の作ってくれた弁当を食べた。
最近、時々作ってくれる。
子育てで忙しいのに、ありがたい。
ちりめんじゃこ入りだし巻き卵が俺のお気に入り。
「失礼します」
俺しかいない生活指導室。
入ってきたのは大和だった。