白いジャージとオレンジジュース





俺に抱かれている空も、雲を指差し、ケラケラ笑っていた。







よく笑う。




よく泣く。




感情を自由に出せる子供を見ていると、大人ってどうしてこんなに難しく生きているんだろうと感じる。





生徒達を見ていても思う。




もっと、自由に笑っていいのに。


もっと、泣きたい時は泣いてもいいのに、と。






「パパ~!」



虎太郎が龍に向かって走る。



その声を聞いた空が、真似をして


「パッパ~」と言ってくれた。






美しすぎる秋の空のせいだろうか。





ふと、涙が溢れそうになる。







いつか、虎太郎のように公園を駆け回るようになる。



そして、いつか、俺を越えていく。






空、いつもパパとママはお前の味方だから。




安心して、ゆっくり大人になれよ。





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