白いジャージとオレンジジュース
「このシチュエーションだと、俺だけ寂しい感じじゃない?」
たっくんは、空の頬をツンツンと突っついた。
「はは。まぁ、まだ若いし焦ることはない。ふたりきりの間にしかできないこともあるだろう」
「そうだけど、本気で子供が欲しくなるよ。ふたりを見ていると」
たっくんと中田の元にも、天使が舞い降りてくれるといいな。
俺の指を必死で掴み、一歩一歩歩く空。
こけそうでこけない。
走りたくて、ウズウズしている空がかわいい。
「虎太郎~!空が呼んでるぞ」
「そら~!!」
虎太郎は、よきお兄ちゃんだった。
空は、虎太郎に手を繋いでもらって、公園の中を歩き回っていた。