白いジャージとオレンジジュース
「俺は、先生がいなかったらきっとボロボロになってたと思うんだ~」
目を閉じたまま、たっくんが話し始めた。
「ゆかりにフラれてさ。バカみたいに酒ばっかり飲んで、キャバ通いして、もうどうでもいいって思ってた。あの時に先生が助けてくれなかったら俺はどうなっていたのかな」
「俺よりも、中田に感謝だよ。あんなたっくんを見てもまだ愛してくれたんだからな。一生かけて償うんだぞ。てか、浮気とか本気で許さないから」
俺がそう言うと、龍はクスクス笑った。
「浮気、しそうだもんな~」
「うるせー!!もうしないって」
実際に、浮気をしたかというと、していないのかもしれない。
全部未遂だったようにも思えるし、浮気といわれても仕方がない気もする。
それでも、憎めないたっくん。