白いジャージとオレンジジュース





「俺は、先生がいなかったらきっとボロボロになってたと思うんだ~」



目を閉じたまま、たっくんが話し始めた。





「ゆかりにフラれてさ。バカみたいに酒ばっかり飲んで、キャバ通いして、もうどうでもいいって思ってた。あの時に先生が助けてくれなかったら俺はどうなっていたのかな」





「俺よりも、中田に感謝だよ。あんなたっくんを見てもまだ愛してくれたんだからな。一生かけて償うんだぞ。てか、浮気とか本気で許さないから」





俺がそう言うと、龍はクスクス笑った。





「浮気、しそうだもんな~」



「うるせー!!もうしないって」






実際に、浮気をしたかというと、していないのかもしれない。



全部未遂だったようにも思えるし、浮気といわれても仕方がない気もする。




それでも、憎めないたっくん。




< 170 / 210 >

この作品をシェア

pagetop