白いジャージとオレンジジュース
今まではわからなかった。
ふたりで、空の成長を見守る日々は、たまらなく幸せなんだよな。
子供を持ってみないとこの気持ちはわからなかったと思う。
頭ではわかっていた。
かわいいんだろうなって。
でも、そんな想像の何百倍もかわいくて、どうしようもない。
愛する人と自分との間に生まれた子供。
「パパ~?どうしたの?」
直が首をかしげながら、俺の顔を覗き込む。
「ん?」
「どうしたの?」
「しみじみ幸せだな~って思ってたんだよっ!」
「あ~照れてる~」
直は、俺の頬に両手で挟む。
そして、からかうようにあごひげを触る。
それを見て、空も真似して。
「パパ~ヒゲヒゲ~」
「空ぁ~、お前もいつかヒゲ生えるんだぞぉ?」
「ヒゲヒゲ~」