白いジャージとオレンジジュース
「座ろうか」
ベンチに腰掛けて、しばらく黙ったままラベンダー畑を見つめていた。
「俺が青で」
「私がピンク」
顔を見合わせる。
「で、俺達の子供がラベンダー色!!」
直の胸の中で眠っている空の頬をツンと突っついた。
空は、少し動いて口をモゴモゴしながらまた眠った。
「俺はさ、直に出会ったことで本当に変わったよ。こんな幸せな結婚生活が送れるなんて、思ってなかった。俺は、直に救われたなってつくづく思う」
灰色だった俺の心を、鮮やかに染めてくれたのは、直だった。
冷え切った俺の心に、温かい手を当ててくれたのは、直だった。