白いジャージとオレンジジュース
「それにしても、俺達って、大恋愛だったな」
「ふふふ。禁断の恋、だもんね」
「いろいろあったけど、どれも忘れられない思い出だな」
「うん。白いジャージについたやきそばのソース、とかね」
「ああ。俺の机にこぼしたオレンジジュースとかな」
「そうそう!プリン半分こして食べたこととか」
「水泳の補習もな」
「数え切れないくらいの思い出があるよね。もう全部が宝物だよ」
直はそう言って、目を閉じた。
その先にいるのは、きっと俺。
高校の廊下を歩く、白いジャージを着た俺だ。