白いジャージとオレンジジュース
「あ、起きたぁ」
目をパチクリさせる空。
直は、リュックからオレンジジュースを出して、空に飲ませた。
「直も空もオレンジジュースが好きだな、本当に」
「えへへ、親子だもんね」
ストローに口をつけて、チュ~っと飲む空の顔がたまらない。
「空、見てみろ。ラベンダー畑だぞ。この色は、パパとママと空の色なんだぞぉ?」
「バベンバー」
「そうそう、ラベンダー!」
「ははははは」
大きな口を開けて笑った空。
「うわっっ!」
俺の白いシャツに、オレンジジュースが飛んできた。
「おいおい、やっぱり直と空は似てるな」
「そのシミも思い出、だよね」
「そう、だな。うん。そうだ」
「パパ~、ママ~」
青く澄み渡る大きな空の下。
ラベンダー畑の中で、最高の幸せを感じていた。