白いジャージとオレンジジュース





「あ、起きたぁ」



目をパチクリさせる空。



直は、リュックからオレンジジュースを出して、空に飲ませた。




「直も空もオレンジジュースが好きだな、本当に」




「えへへ、親子だもんね」




ストローに口をつけて、チュ~っと飲む空の顔がたまらない。






「空、見てみろ。ラベンダー畑だぞ。この色は、パパとママと空の色なんだぞぉ?」




「バベンバー」




「そうそう、ラベンダー!」




「ははははは」






大きな口を開けて笑った空。







「うわっっ!」




俺の白いシャツに、オレンジジュースが飛んできた。






「おいおい、やっぱり直と空は似てるな」



「そのシミも思い出、だよね」



「そう、だな。うん。そうだ」



「パパ~、ママ~」





青く澄み渡る大きな空の下。




ラベンダー畑の中で、最高の幸せを感じていた。




< 207 / 210 >

この作品をシェア

pagetop