白いジャージとオレンジジュース
甘かった。
最近、こういうのなかったから。
油断していた。
放課後の生活指導室に喜多先生がいなかったせいだ。
いきなりその生徒は、俺にキスを迫った。
と、いうか、キスを奪った。
ほんの一瞬だったが、唇が触れた。
直以外の人と触れてしまった。
「おい、どういうことだよ」
俺は、その生徒の肩に手を乗せて、体を離した。
「新垣先生の愛人にしてください」
愛人?
高校1年生でそんなこと言うなんて。
俺が既婚者だってことを知っているってことか。
「俺に相談したいことがあるんじゃないのか?」
俺は少し怒り口調でそう言った。
クスっと笑ったその子は、
「相談ってこのことです。私、先生が好きなんです」
真正面から告白されてしまった。