白いジャージとオレンジジュース
「めちゃめちゃかっこよくて。倒れて良かった~って思ったの」
「それで、俺を追って、この高校を受けたって?」
その生徒の名前は、徳田藍梨【トクダアイリ】
俺を追いかけてこの高校まで来た。
俺の存在が、彼女の人生を動かした。
俺に出会わなかったら、違う高校へ行っていたかもしれない。
俺は、彼女の人生を左右するほどの人間じゃない。
何もしてやれないし、拒否することしかできない。
言葉が見つからなかった。
冷たく追い返すこともできなかったんだ。
どんな想いで、この高校を受けたのか。
直と重ねてしまったりした。
もし、中学時代に俺に出会っていたら、直も同じように俺を追ってこの高校に来たかもしれないな、と。