白いジャージとオレンジジュース
ストーカー
-ストーカー-
徳田藍梨の問題はまだまだ解決していなかった。
夏休み前のある放課後。
俺の車の前に、短いスカートをはいた徳田が立っていた。
最近あまり声をかけてこなかったので、少し安心していたところだった。
「先生~!デートしよっ!!」
無邪気な笑顔でそんなことを言う徳田。
直の高校生の頃を思い出す。
直は絶対にこんなことはしない。
徳田がもしも、直だったら?
結婚している今の状況で、直のような生徒が再び現れたら俺はどうなるんだろう。
ドキドキしてしまうのか?
でも、妻が直なんだから、そんなことはありえないか。
どんなに直にそっくりな子が現れたとしても、直本人にはかなわないから。
と、ひとりで勝手に安心したりして。