白いジャージとオレンジジュース
直のアドバイスのおかげで一歩前に進むことができた。
俺は、徳田の担任の先生に相談することにした。
そして、ふたりで家庭訪問をする方向で話が進んだ。
徳田は、絶対にやめてくれと言ったが、実際に家に行ってみないとわからないこともある。
「なぁ、徳田。俺は徳田を救いたいと思っている。そのためには、徳田のご両親に会っておかなければいけないと思うんだ。だめかな?」
「そんなことしたら、殴られる」
必死で抵抗する徳田を見ていると、ますます家庭訪問をするべきだと思うようになった。
お母さんはまだ入院しているから、今は父親としか会えない。
だが、徳田とお父さんふたりの生活も心配だったので、会って話がしたかった。
徳田の担任は、まだ2年目の女性教師だった。
斉藤先生と呼んでいるので下の名前はわからない。
現代文の教師で、頑張って生徒と向き合おうとしていると評判だった。