白いジャージとオレンジジュース
翌日も、俺と斉藤先生は徳田の家へと向かった。
玄関のチャイムを何度鳴らしても、誰も出てこなかった。
何もできない。
はがゆい。
入院したお母さんがもうすぐ退院すると徳田から学校へ連絡があった。
早く、早く。
何とかしなくては。
気持ちだけが焦る。
毎日のように、斉藤先生と徳田の家へ家庭訪問に出かけたが、それから一度も父親と会えなかった。
徳田から、しばらくは無理だから家に来なくていいと連絡があった。
俺達がしようとしていたことは間違っていたんだろうか。
徳田を余計に追い詰めてしまったんではないだろうか。
何が正しいのかもうわからない。
何もできない自分が情けなくて、毎晩なかなか寝付けなかった。