白いジャージとオレンジジュース
「今日からまた気を引き締めていこうな」
ホームルームの締めの言葉に、生徒達から失笑されてしまう。
この感じも、久しぶりで幸せを感じる。
「出た~!爽やか過ぎる新垣先生~!」
平和学習の感想文は、出したい人だけ出すようにと言ってあった。
ほとんどの生徒が書いてきたことに、胸が熱くなった。
「俺のじいちゃんも戦争を経験してたんだよ。あの日帰ってからいろいろ話してさ。今では毎晩、戦争の話ばかりしてんだよ。でも、そのおかげでじいちゃんとの会話が増えたんだよ」
そう話してくれたのは、クラスで一番欠席の多い男子生徒だった。
グレーに染めた髪、鼻のピアス。
俺は、綺麗に整えられたその髪を指でツンと弾いた。
「そうか。おじいちゃんともっともっといろんな話できるといいな。お前の話もまたクラスで話してくれよ」
「勘弁してよ、先生。じゃあ~またな!」