白いジャージとオレンジジュース





「新垣先生のこと殴った日の次の日、お父さんお酒飲まなかったんだよ。でも、お酒の代わりにパチンコに行ってて。だから、先生達が来てくれたのに会えなかった。お父さんが言ってたんだ。“娘の為に1日くらい飲まずにいられないのか”と怒鳴られたんだ!って。それが悔しかったみたい!」





徳田はキラキラした笑顔で話し続けた。




「でね、平和学習の後に、考えたんだ。もし、お父さんが戦争に行ったらって。その時に、考えたことが、あんなにお酒が好きなお父さんが戦争でお酒飲めなくてどうなっちゃうんだろう?って。バカでしょ、私。でも、そんな気持ちになるってことは、やっぱり家族なんだな~って思ったの」






俺は、目頭を押さえた。




我慢できなかった。




泣いちゃいそうだ。



と、いうか


泣いてしまっている俺。





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