白いジャージとオレンジジュース






「昨日、お母さんにも話したの。お父さんが戦争に行ったらどうする?って。そうしたらね、同じこと言ったんだぁ。お酒がなくてお父さんおかしくなっちゃうんじゃない?って。その後、ふたりで大笑いしたんだ。暴力ふるって最低な父親だけど、やっぱり家族なんだよね~って。お母さんも入院中に、本気で離婚しようかと真剣に思ったみたい。でも、離婚した後、ボロボロになるお父さんのことを想像すると、心配になったんだって。だから、きっと離婚はできないと思うって言ってくれたの」





俺の隣にいた斉藤先生も涙を流していた。





「徳田さん、本当に良かった」





「先生達、何泣いてるの~?てか、新垣先生の涙なんて超貴重だから写メ撮ろうかな~なんて」




ケラケラと笑う徳田を見て、止まったはずの涙がまた溢れ出す。




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