いやいや、おかしいでしょ
3-1
と書かれてある茶色いドアを開けた。
シングルの木のお洒落なベッド
椅子と小さなテーブル
ひとつのワインレッドのソファー
そして小さなクローゼット
壁には鏡が掛かっていて
もうひとつの個室は、ユニットバスだった。
小さなテーブルの上には
薔薇とかすみ草の入った花瓶と
[彩津 倫様]
と書かれたプレートと鍵が置いてあった。
床には、私が倒れた時にここに届けられたであろうキャリーバッグが置いてあった。
バッグをあけ、クローゼットに手早く服を入れた。
家族写真を小さなテーブルの上に乗せ、
バッグを閉じた。
それから、お母さんが持たせた
お弁当を頬張った。