壁越しのアルカロイド


グリーンスムージーと言うものがあって、梨奈も詳しくは分からないがなんやかんや野菜と果物をとりあえずミキサーにかけて作るドロドロの液体が最近の母の趣味だ。

便通にいいとかなんとか。

そんな事をぼんやり考えながら、母には改めて悪い事をしてしまったなと梨奈は今更ながら反省する。

しかし、未だココから出る気はなかった。

トイレットペーパーを適当に千切り思い切り鼻をかむ。


……ツラい。


なにがツラいって、明日も変わらず学校があることだ。

どうやっても顔を合わせてしまうだろうある人物を思い浮かべ、梨奈は更に涙を流す。

学校どころかこのアパートを一歩出るだけでその遭遇確率は上がりまくりだ。



……ああぁぁぁあああぁ。


どうしてあんな事言っちゃったんだろう。


梨奈は後悔に後悔を重ねる。



……….パタン。



その時、壁越しに静かに玄関の扉が閉められる音が梨奈の耳に届いた。



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