恋するラジオ体操

替え歌(後編)

「……久しぶりだね、みんなで会うの」

そう、詩織はつぶやいた。

「そうだね。
今日は、ゆっくり楽しも!」


夕闇でも分かる、はにかんだ唇。
そして、
透きとおる瞳が、俺の目にとびこんでくる。

そこだけ、空気がちがってる。

白地に花柄の、浴衣姿。
あれは、うす紫の百合の花?


俺たちは、
待ち合わせ場所に集まった。
公園近くの、神社前。

見慣れた景色だけど、
今日は、気分が はずんでいる。



「アズ、お前、派手すぎね?!」

サトルが、照れながらツッコミ入れてる。


「だって、
ちゃんとお祭りで会ってくれんの、
初めてやんか~♪」

やたら笑顔のアズサが、スネてる。
珍しいな、あんな顔。


「だって、そりゃ。
みんなの約束だし。
祭りで、バンドのファンに会うじゃん」

「タトゥー貼ったから、大丈夫だって♪
チャラく見えないしw」

「黒の浴衣、アゲハ柄はイイよ。
でもミニに、薔薇とギターは、やりすぎ(笑)」


まあ、仲良いから。

サトルは、
輸入Tに、メッシュのアシンメトリー・ロングベスト。
ペイントスキニーに、メタリックブルーのブーツ。
シルバーリング。

さすが、だよな~




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