三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

　　でもこの時の紫苑は多分そうする事が一番自然なんじゃないだろうか？と考えていたのはあながち嘘ではなかったのである。ちなみにこれから紫苑が新たな恋愛をし、そして結婚をしてその男性（ひと）を代表取締役に据えるとしたならばこの先何年かかるか解らないし、そうであるならば楓駕と美園が現時点で付き合っているのは確かな事なのだから、この際手っ取り早く楓駕と美園にくっついて貰った方が良いかな？と紫苑はそんな風に考えたのだ。



　　それにまあ、普通思考の楓駕（ふうが）がいきなり代表取締役になったとして、果たして楓駕がこれからどう変化してゆくのかも見ものだなと思ったし、それにこれまたお金持ちとは縁遠い暮らしをして行きたいと日々願って止まないと言う美園が、この先楓駕と結婚をしたとしたならいったい全体どうなって行くのか？を紫苑自身見てみたいと言う好奇心があった事も否めない……。