三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

「あっ、こちらこそはじめまして。楓駕（ふうが）の母です。いつも楓駕がお世話になってます。今後共どうか楓駕を宜しくお願いしますね。では私この後用事がありますので失礼します」
　　と言うと楓駕の母親はそそくさと退散した。




「もうよりによってあんな若作りしてる時に美園に俺の母さんを紹介するはめになるなんて。ホントごめんな」




「ううん。案外普通にかしこまって紹介されるよりか、インパクト大で私的には全然ＯＫだよ！」
　　と美園は言うとニッコリと微笑んだ。




「うーん。美園ってつくづく優しいよな。ちなみにそんな風に素早く機転を利かせる事の出来る、美園のそんな性格も俺的には気に入っているんだけどさ。って言うか、おっと気分を取り直して早く観覧車に乗りに行こう！」
　　と言うと美園と楓駕は再び観覧車のある方向に向かって駆けけ出した。