三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
  この時紫苑は楓駕(ふうが)との会話の中で、更に千菊の自分に対する思いをまざまさと見せつけられた気がして、正直複雑な思いが脳裏を駆け巡っていた。




  だがその思いとは裏腹に『時間が千菊との距離を少しでも縮めてくれれば良いのに』とも願っていた。




  が、しかし果してそれが可能だろうか?と言う思いも、同時にかすかに過(よぎ)るのを感じた……。
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