三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
  だから美園は結婚したらおそらく出来なくなるであろう事を、学生のうちに全てやっておこうと、海外旅行や友達同士との美味しい物の食べ歩きや、合コンなどには積極的に参加していた。




  尚、美園は学費と生活費はかろうじて親の仕送りがあるものの、洋服や雑貨類を買ったり友達との飲み会に参加する費用とかの贅沢費(ぜいたくひ)等の類(たぐい)はファミレスのバイトをして賄(まかな)っていた。




  が、しかしそれだけでは足りるはずもなかった。だから美園は幸い持って生まれた美貌を若いうちだけと割切ってフル稼働させていた。




  つまり美園は自分の美貌を武器に、食事を奢(おご)ってくれるファミレスの上司と、車で家まで送ってくれる同じバイト仲間の諷駕(ふうが)と、そしてブランド品のバッグや洋服等を貢いでくれる50代後半の会社経営のおじさまの3人の男性達を常にキープしつつ、同時進行でつき合っていた。
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