三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
『そうだね。きっと君に似合うと僕も思うよ。なんなら試着してみるかい?』と言ってくれて、おじさまにそのお洋服を買って貰ったのが運のツキだった。




  それ以来私はおじさまに色々な物を買って貰うのが、あたりまえになっていたんだっけ。
  




  そしておじさまと付き合っていくうちに生活レベルが上がり、いつしか美園にとっておじさまは自分の物欲を満たすための、かけがいのない存在となってしまっていた感が否めない。




  しかも気づけば最悪な事にまるで心が置き去りされたかのように、その事自体に負い目を感じることさえ、なくなっていた。
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