三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

第３章‐自分より相応しい女性？

　　そして楓駕（ふうが）の車を見送り終えた美園はエレベーターで自分の部屋へと向かった。そして部屋の鍵を開け中に入ると、美園はドアの鍵を閉めてから喪服がシワになるのも気にせずに、そのままバタンと倒れ込むようにして寝入ってしまった。




　　そして美園は枕元に置いていたバッグの中のケータイの振動で目覚めた。即二つ折りのケータイを開いて名前を確認すると、幼馴染みの『錦小路七乃葉（にしきこうじ なのは）』からだった。とこの時美園は良いアイデァが浮かんだ。ちなみに『錦小路』と言う名字からも解るように、七乃葉の実家は由緒正しい家柄で大金持ちだった。




『そうよ。七乃葉だったら楓駕とピッタリじゃない。家柄と良い七乃葉の上昇志向と良いこれ以上の結婚相手は他にいないわ！』と美園は心の中で一人ほくそ笑むと、ケータイを手に取った。




「七乃葉お久し振り。元気だった？」