三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
第4章‐楓駕(ふうが)の内面
  さて二週間後の夜再び美園と楓駕(ふうが)と七乃葉の3人は、某居酒屋で宴会を開いた。ちなみに宴会をする場所を『居酒屋』に決めたのは楓駕だった。




  が、しかし幼い頃から何不自由なく育てられたはずの楓駕が、何故にこうも徹底して軽自動車に乗っていたり、ファミレスでバイトをしていたりと、どうしてくごく一般的な庶民としての暮らしに拘り続けているんだろうか?と、前聞いた楓駕の答えに美園は納得をしかねていたので、今夜は更に掘り下げてその理由を聞いてみようと思っていた。




  まあ、もっともこれは女の第六感ってヤツに基づいた、美園の勝手な憶測と見解の枠内の域を越えないものではあるんだけれど。でも美園は絶対にまだ他に理由(りゆう)があると確信していた。




  尚、良いトコのお嬢さまである七乃葉も大学に通うかたわら一般人に混じってOLとして働いてはいるけれど、七乃葉の場合は父親が経営をする会社でバイトとして働いているので、常に親の管理下にあり徹底的に庇護(ひご)されている。
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