三種の神器‐戸嘴美園(こはし みその)の場合
  楓駕(ふうが)が投げて寄越した座布団を素早くキャッチすると
「ふーん。此処が楓駕のお部屋なんだ」
  と美園は言ってグルリと部屋の中を見回した。




  ちなみに楓駕の部屋には天井まで届く造り付けの本棚があって、その本棚には結構本が沢山並んでいた。




  そしてその横は観音開きの飾り棚のケースになっていた。でもってガラスの扉からは模型の飛行機や戦車が飾ってあるのが見える。そのデイスプレイからはまさしく楓駕の性格が垣間見えるようだった。




「はい。コーヒーをどうぞ。ちなみにお好みでガムシロップとミルクを入れてね」
  と言うと紫苑はコーヒーとガムシロップとミルクを載せた銘々のソーサーを、お盆からテーブルにそっと置いた。




「ありがとうございます。では頂きます」
  と言ってまずは美園がミルクとガムシロップをたっぷりと入れてコーヒーを飲んだ。




「じゃ俺も」
  と言って楓駕はそのまま何も入れずにコーヒーを一口飲むと早速美園に説明を始めた。
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