三種の神器‐戸嘴美園（こはし みその）の場合

　　そして
「あっ、その前に紫苑義姉さんの事はまだ美園には紹介してなかったよね。こちらが俺の義姉の紫苑さん」
　　と言って楓駕（ふうが）はまず紫苑を紹介した。




「はじめまして。風雅君の義理の姉で紫苑と言います」
　　と紫苑はごく普通の言い方で自己紹介をした。




「あっ、こちらこそはじめまして。楓駕君のお友達の戸嘴美園です」
　　と言うと美園は座布団からすくっと立ち上がり丁寧にお辞儀をした。




　　と、その時美園は紫苑の顔を見て目の辺りがおじさまに似ているなと思った。




「さあてとじゃあ美園かい摘んで話すね。実は紫苑義姉さんの旦那である貴文（たかふみ）には愛人がいて、その女との間に隠し子がいるって言う噂を、ＹＯＮＫＯさんから聞いたんだ。あっ、仮にそいつを『愛人Ａ』と言う事にするね。つまり今からその貴文の愛人Ａの存在を確認する策を練りたいと思う。美園協力してくれ」
　　と楓駕はかいつまんで説明した。