１９年後

　　かつて自分の知らないところで愛美と大垣尚人との間でそんなやり取りがあったなんて佳夏にとっては知る由もない事であった。




「にしてもなんで今頃になってあの時の櫛を大垣君が私に返してくれる訳？私その理由が知りたいわ。




　　ちなみに愛実はまだ写真部員と親交があったわよね。ねえ今度大垣君と会えるように設定してくれない？」
　　と佳夏が言うと




「うん良いわよ。私大垣君の連絡先は把握しているし、じゃ早速大垣君にあたってみる事にするわ」