19年後
  19年後の今年僕は佳夏さんが幸せな家庭を築いているのを見て、わざわざ告白をする事もないなと思ったのです。




  でも手元に残ったこの櫛はお返しした方が良いかな?と思ったもので郵便受けに自分で投函をしました。やはり迷惑でしたよね?」
  と本当に申し訳なさそうに大垣は言った。




  すると
「大垣君アンタってバッカじゃないの?!そう言う時普通は幸せだって解った時点でこっそりと何もしないで帰るものよ」
  と愛実は半ば呆れ顔で語気を荒げた。




「す・すみません。紛らわしい事をしてしまいまして」
  と大垣は頭を掻(か)きながら深く首をうな垂(うなだ)れた。
< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop