ケータイ小説を書くにあたって


「ねぇ、私決めたよ。」

「何を?」


私はニッと笑って、友人Aにピシっと真っ直ぐ指を指す。


「友人Aの話を書く!」


友人Aは瞬きを数回したあと、「は?」と声をもらした。


「だから友人Aって何よ。」

「友人Aの話を書く!」

「ああそう、それはもう分かったから。それで、友人Aって私のこと?」

「友人Aの話を書く!」

「………。」


私のしつこい攻撃に友人Aは沈黙する。


「………読んでくれる?」


恐る恐る聞いてみる。


すると、友人Aは、


「はいはい、読んであげるわよ。書き終わったらURLをメールに添付して。

よく分かんないけど楽しみにしといてやるわ、『友人A』の話とやらを。」


と、少し面倒くさそうに、だけどそれよりずっと嬉しそうに、そう微笑んだ。




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