ケータイ小説を書くにあたって


「何それ。」

私の提案に、友人Aはげんなりとした顔でこっちを見た。

あれ。なかなかの名案だと思ったのに。


「俺様なのに、ドMって結構萌えない?」


「全然。大体どういうことなの、それ。

『おいお前、俺様のケツをぶったたいてみろ!』とか言っちゃう感じ?」


なるほど。


「いやいや、なるほどって顔されても困るんだけど。

てゆーか、設定ごちゃごちゃしすぎ。

さっきは突っ込まなかったけどさ、ヤンキーなのに執事ってどういうこと?」


ここにきて、友人Aは急に厳しい意見を持ち出してきた。


ヤンキーなのに執事。

なんじゃそら。

そんなのこっちが聞きたいわ。


「アレだよ。ヤンキーなんだけどさ、ヒロインが三億くらいもってきて、執事になれって命令すんの。三億積まれたら、いくらヤンキーでも執事くらいなるでしょ。」


あれ。

適当に誤魔化したつもりだったけど、なかなかいい設定じゃない?これ。



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