隔世伝達(かくせいでんたつ)
短編小説
  このところ毎日のように繰り返し同じ場面で同じ時間に目が覚める。




  7年も前に死んだお隣のおばあちゃんが夢の中でしきりに
「史麻呂(ふみまろ)や東の方向にある神社の近くの宝くじ売り場で宝くじをバラで10枚買いなさい!」
  としきりに呟(つぶや)くのである。




  ちなみに僕の名前は史麻呂なんかじゃなくて『航(わたる)』だ。




「お母さんおはよう!」
  と言うそばからふうわあーっとつい欠伸(あくび)が出る。
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