隔世伝達(かくせいでんたつ)
  だが意外にも鈴代の父親が殆(ほと)んど夢を覚えていないタイプなのだと言う事を僕はその時に始めて知った。




「はあーじゃあやっぱり僕って、お隣のおばあちゃんから史麻呂さんへのただの隔世伝達役に過ぎなかったのか。でも何で僕だったんだ?」




  やがてその謎は10年の年月を経てスンナリと解けた。




  それは何故かと言うとお互いに都会で過ごしていた鈴代と僕が、10年後に同窓会で再会し幼馴染みから恋人へと移行して、めでたく結婚する事になったからだ。




  だからつまり鈴代の父親である史麻呂さんのお母さんであるお隣のおばあちゃんは、夢を殆(ほと)んど覚えていない我が子に起こる良い出来事を、どうしても知らせたくて近未来の身内であるこの僕に隔世伝達を託(たく)したのである。
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