あの加藤とあの課長*another side
ここという特定ではなく、もはや至る場面で加藤に劣っていて、正直とてもじゃないがやっていられない。

ついつい加藤ならと思わずにはいられなかった。


やがてその先輩は自主退職。その後2、3人と代わったが、異動を志願したり、退職したりで長くは続かなかった。


何人目かの課長補佐が辞表を持ってきたのは、俺の予想よりも大分早かった。


この課長補佐は辞表を出すと同時に、加藤に『ごめんね』なんてメールを送っていた。

次に課長補佐が変わるときは加藤くんに頼もうだなんて部長がぼやいていたのを聞いていたかのような行動に、俺は複雑な気分になった。


やはり、誰の目から見ても俺の補佐は加藤にしか務まらないということなのだろうか。

ギリギリのところで自制をかけている状態の俺にとって、非常に辛い状況だ。
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