あの加藤とあの課長*another side
翌日、加藤は昨日にも増して元気がなかった。

というか、悪化してないか…? 昨日、風間に宣戦布告したのがまずかったか…?



『加藤は俺が貰う。お前がアイツを大事にできないなら、なおさらだ、手段は選ばない。』



昨日、たまたま喫煙室で風間と一緒になった。

その時、耐えきれずというか、なんというか、言ってしまったのだ。


その日、加藤は1人、取引先へと向かった。

廊下を歩くその背中はただでさえ細いのに、体調の悪さゆえなのだろうか、より細く見えて。



『行くな。帰って休め。』



課長という役職にも関わらず、仕事に私情を持ち込んで加藤を引き留め、帰らせてしまいたくなった。

それくらい、心配だったんだ。



加藤が倒れたと連絡が入ったのは、心配した矢先のことだった。


先方に到着した時、本間という男が救護室まで案内をしてくれた。


先方の担当者だ。この男を落とすことがなかなかできず、うちの会社はこの会社と契約を結べなかった。

そんなこの男を唯一落とせたのが、加藤だった。



「君は、加藤くんの新しい男?」
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